人手不足が企業にもたらす影響

事業の縮小

人手不足が続くと業務に携わる人が少なくなってしまうことから、必然的に処理できる業務量も縮小していきます。
既存の人材が全力で業務に取り組んだとしても、一人ひとりの業務処理量には限界があるからです。
その結果、従業員の人数に応じて事業規模までもが縮小する事態となります。
事業を維持するだけで精一杯の状況では、新たな事業を立ち上げることも難しくなります。
市場のチャンスを逃してしまえば同業他社にますます差を付けられ、人材の流出はさらに深刻化していくでしょう。

労働環境の悪化

人手不足は労働環境の悪化を招きます。残業の慢性化をはじめ、有給休暇を取得できずに社員のライフ・ワーク・バランスが崩壊する、あるいは日々の業務に追われてスキルアップが図れず、キャリア形成ができないといった問題などがその一例です。

労働環境が過酷になればそれだけ社員のパフォーマンスが下がり、抜け漏れなどミスの多発、製品・サービスの品質低下を招きます。業務が上手く進まないことで、ますます残業量が増えてしまうという悪循環になってしまうこともあるでしょう。

社員のモチベーション低下

社員の肉体的・精神的な負担が大きくなれば、モチベーションの低下も避けられません。
業務を処理することに追われ、創造性を発揮できるような仕事が少なくなると「こなすべき仕事を淡々と処理していく」という状況に陥りがちになってしまうのです。
その結果、ストレスが増加して仕事にやりがいを感じられなくなったり「何のために仕事をしているのか」という疑問を感じたりして、仕事に前向きに取り組めなくなってしまうこともあります。モチベーションの低下に伴って会社へのエンゲージメントが下がれば、最悪の場合離職につながり、人手不足はさらに悪化します。